経営危機ビッグ3問題 
このうち軽量性については、スペースシャトルでは水素電池を用いており発電の際に水が発生することから、この水を加温して調理に用いるのが最も効率的である。そのため加水調理に適しており保存性・栄養・食感の面でも優れたフリーズドライ食品は、多くの宇宙食に採用されている。フリーズドライなどの技術は民生技術としてインスタント食品に広く用いられるようになった。宇宙への輸送コストが、現状ではスペースシャトルでも1キログラムあたり約8,800ドル程度掛かることも、軽量性が重視される一因である。 臭気については、魚などは今も嫌忌される傾向にある。また安全性についてだが、無重量状態では対流が発生しないことから、液体がなかなか冷め難い。このため宇宙船内で供給される湯は口に含んだ際に熱くてむせることのないよう、スペースシャトルでは摂氏70度、国際宇宙ステーション(ISS)では摂氏80度止まりという事情があるため、インスタント食品でもこの温度の湯で美味しく調理できるものが求められる。 水分の多い料理は粘り気を持たせて飛び散らないようになっており、またスープやジュースはパックからストローで直接飲むようになっている。現在では宇宙船内で電気オーブンレンジが利用できるため、レトルト食品等はこれを使って温めることができる(電子レンジは諸般の事情[1]で採用されていない)。 地上では宇宙関連の博物館でFX になる程度の、市場規模が現時点であまり期待できない宇宙食にこれだけの研究開発が行われている背景には、宇宙ステーションでの長期滞在や火星への有人宇宙探査が現実味を帯びている中で、骨粗鬆症など宇宙空間で起こる深刻な健康上の問題に対応する必要性、またある意味単調な生活の中で食事が非常に重要な気分転換となることがある。このため味の面での改良や、デザート等の充実も図られている。 この他にも近年の国際宇宙ステーション計画では様々な国の様々なクルーが生活することから、各国の料理に関連した宇宙食が開発され、食のタブーに絡む制約から特定の食材のみで作られたものから、クルーが普段慣れ親しんでいる好物が宇宙でも食べられるようにする、様々な工夫が凝らされたものが、現在でも開発が進んでいる。この中には日本食も取り入れられている(後述)。 今日の宇宙食は、地球上で作られた食材を地球上で加工し、それを宇宙船に積んで打ち上げているが、さらに人類が長期間宇宙に滞在するようになれば、宇宙食は地球から運搬するのではなく、宇宙で自給自足する必要が出てくる。そのため、宇宙空間で生物や植物を育てる試みは宇宙開発の初期から行われてきている。 この考えをさらに延長して、完全に隔離された空間に植物や生物を閉じこめ、孤立した生態系で自給自足の生活を行うことができるかという実験(→ バイオスフィア2)が、地上で行われたこともあった。また宇宙船内の限られた日経225 で効率よく作物を栽培できる水耕栽培施設の研究も進んでいる。規模の小さいものでは、古くより微生物(酵母など)を用いた食糧生産システムも想定されている。 スカイラブ計画地上訓練中の宇宙食を使った食事風景(1973年)初期の宇宙食は喉に食べ物がつまるのではないかとの不安から、チューブに入ったものやトレイに充填されたペースト状のものが多く、離乳食に近いものでもあったため、宇宙飛行士からの評判も悪かった。その後、人間は無重量状態でも問題なく食べ物を飲み込め、消化できることがわかり、現在の宇宙食は種類も豊富になり、その種類は千種ほどもある。 日本人宇宙飛行士がスペースシャトルに搭乗する際には、日本食も搭載される。搭載される料理が、実際に公募で選ばれたこともあった。 ロシア・ヴォストーク2号(1961年):チトフ飛行士が宇宙空間で初めて食べ物を口にした。 アメリカ・マーキュリー時代(1962年頃): 一口サイズの固形食、チューブに入ったペースト状のもの。 アメリカ・ジェミニ時代:乾燥食品、中程度の水分を含んだ食品、一口サイズの固形食の三種類。 なお宇宙競争にしたがって滞在時間が長時間にわたると、連続で宇宙食を摂らざるを得ない状況になり、この不満からかターキー・サンドイッチを勝手に持ち込んだ宇宙飛行士がいた(ジョン・ヤング)。多額の国税をつぎ込んだ宇宙計画を、機器の汚損や食中毒などにより危機に陥れる可能性があるこの行為は当然、問題となったが、食事が士気に影響するという主張は認められ、外為 の宇宙食の改善につながった[要出典]。 ロシア・サリュート: 新鮮な果物・野菜を貨物として供給した。 アメリカ・アポロ時代: お湯が使用されるようになり、食品を水で戻して暖かい食事が可能となった。 10日間に及ぶ月飛行のための船内食は……七面鳥とグレービーのパック、スパゲッティ・ミート・ソース、チキン・スープ、チキン・サラダ、豆のスープ、ツナ・サラダ、スクランブルド・エッグ、コーン・フレーク、サンドイッチ・スプレッド、チョコレート・バー、モモ、ナシ、アプリコット、ベーコン角切り、ソーセージ・パテ、オレンジ・ドリンク、シナモン・トースト、ブラウニー、その他、その他。それぞれのパックはマジック・テープで止めてあり、そのテープは各搭乗員の分を示す色別のコードになっていた (ジム・ラベル、ジェフリー・クルーガー (河合裕訳)『アポロ13』)。 スカイラブ時代:半数は加水食品で、他に温度安定化食品、自然形態食品、フリーズドライ(凍結乾燥)食品、放射線照射食品が提供された。ナイフ、フォーク、スプーンを使うようになった。 ロシア・ミール時代: 400日以上に渡る長期宇宙滞在に耐えるための食品開発が進んだ。 スペースシャトル・国際宇宙ステーション以降:一部の市販食品、自然形態食、新鮮食品(果物)も提供されるようになり、メニューも増えた。 スカイラブ時代より、食事の形態はだいぶ地上の生活に近いものとなっている。ただし食器などが浮遊してしまうと具合が悪いことから、各食品のパックやトレイ・食器などはトレイやテーブルにベルクロテープで貼り付けておくことができるようになっている。 国際協力により宇宙ステーションが運営されることから、各国の宇宙機関で開発した宇宙食が持ち込まれるようになった (日本については後述)。アメリカ・ロシア以外では、ESA (ヨーロッパ宇宙機関)が開発したフランス料理 (アヒル・チキン・マグロ・メカジキ・ニンジン・セロリ・アンズ・リンゴなど、缶詰の形態)などがある。 宇宙食のアメニティ性がどんなに進歩しても、やはり宇宙飛行士にはテーブルについて温かい食事を摂ることはしばらくはままならない。このためアメリカ航空宇宙局では打ち上げ直前に無菌で隔離された状態で最後のディナーをゆっくりテーブルで楽しんでもらうという儀式もカウントダウンの作業に含まれている。アポロ計画のころからの習慣のようだが、現在のスペースシャトル計画でもこれは引き継がれている。 現在宇宙食には大きく分けて一般食と特別食がある。一般食は現在宇宙船の打ち上げを行っているアメリカ航空宇宙局およびロシア連邦宇宙局が開発しており、常設メニューとして基本的にどのミッションでも採用されているものであり、開発国の関係上アメリカおよびロシアで一般に食されているものがほとんどである。一方の特別食はミッションに参加する宇宙飛行士の希望から主に各国の宇宙局が開発し、搭乗予定の機関(ISS任務の場合はISSの審査も必要)の審査を受けた上で持ち込みが許可されるものである。特別食は、前述の食事によるリフレッシュという側面から搭載され、特に米露と食文化の違う国の宇宙飛行士が十分なリフレッシュを行えるようになっている。一般食は主にフリーズドライなどで前述の宇宙食としての条件を満たす必要があるが、特別食の場合は短期間の消費を前提とし、レトルトパウチ食品や単なる密封包装程度で搭載が可能となる場合が多い。2007年以前の日本の宇宙食や、韓国が開発したキムチ・スジョングァ茶・韓国ラーメンなどの韓国料理は特別食である。 現在、一般食として採用されているのは前述の通りアメリカおよびロシアのみだが、国際宇宙ステーション計画で多数の国の参加が予定されるため、2005年に現在の一般食をベースとし、カナダ、欧州、そして日本の食品が一般食として採用されることが決定し、2007年6月には日本の一般食である「宇宙日本食」についてISSの認証を受けた。[2] 。これにより日本製宇宙食はどのミッションでも供給されることとなり、今後は各国のバラエティ豊かな食事を宇宙でも楽しむことができるようになる。